こんにちは、あなたの心に寄り添う不動産・投資アドバイザー、ユキーナ ・サントスこと富塚祐子です。

今日皆さんにお伝えしたいのは、不動産で、絶対に失敗しないコツです。

それはとっても単純なこと、ただ1つです。「欲に駆られない」ようにすることです。

 

 

私が尊敬する、弁護士の溝渕さんがメルマガでこのように書いていらっしゃいます。

【2】読書感想文/森功『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』(※)
(※)
http://c.bme.jp/38/1305/418/1922

本書の著者の森功さんは、本書のような実録ものをよく書いています。
本書以外に私が読んだものだと、『同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録』、『ヤメ検-私法エリートが利欲に転ぶとき』などがあります。

話が少し飛んでしまいますが、ヤメ検(検事を辞めて弁護士に転身すること)でいうと、弁護士になって1年も経たないころ、当時、地下鉄淀屋橋駅の北側改札口を出たところにあったブックファーストで購入した田中森一『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』が記憶に残っています。
田中森一さんという、実際のヤメ検弁護士が裏社会の番人になっていく過程が自伝として書かれており、自分が職業として選択した弁護士にこんな世界があるのかとビックリしました。
もちろん憧れるという内容ではなく、多額のお金に関わることの多い職業であり、また、大きな事件に巻き込まれるリスクもあるのだと感じました。

本書で取り上げられている「地面師」とは、他人の土地を自分のもののように偽って第三者に売り渡そうとする詐欺師のことをいいます。
本書にも、弁護士と司法書士という法律のプロが幾度にもわたって出てきます。
不動産取引は高額になることが多く、それに絡んで不当な利益を得ようとする宜しくない人達が出てくることもあります。
私は今まで「地面師」に会ったことはありませんが、信頼できないような人物に会ったことは何度かあります。

本書が書かれたきっかけは、2017年4月に起こった、積水ハウスを被害者とする大規模な「地面師」詐欺事件だと思います。
そのため、第一章は積水ハウスが被害者となった「地面師」詐欺事件について書かれています。

「地面師」は、単独ではなくチームで動くようであり、本書で紹介されているいくつかの事例も、全て複数人で詐欺的取引が行われています。
一般的に、「地面師」グループは、計画を立てる主犯格、本人になりすます人物を手配する手配師、偽造パスポートや偽造免許証等を準備する道具師、振込口座を用意する銀行屋や口座屋と呼ばれる者達で構成されるようです。
その中に、弁護士や司法書士という法的手続を扱う法律屋も存在すると書かれています。

「地面師」が狙うのは、不動産の所有者本人が入院していたり、長期間不在にしておりほとんど姿を現さないような物件のようです。
通常は、なりすまし役を立てる必要があるため、本人が現地に住んでいるような場合は「地面師」詐欺は難しいといえます。

本書を読むと、「地面師」グループの狡猾な犯行手口が垣間見えます。
印鑑証明書やパスポートそのものを偽造する場合もあるようですが、なりすまし役が本人を演じて実印を紛失したように装い、印鑑登録そのものを行うこともあるようです。
この場合、印鑑証明書自体は本物であるため、詐欺を見抜くのは一段難しくなると思われます。
積水ハウスの事件では、所有者の偽物(なりすまし役)が持っていたパスポートを赤外線ペンライトで照らした際に、透かしが確認できたとされています。

また、「地面師」グループは、お金を持っているかのように装うことで信用を得ようとする見せ金という手段も用いるようです。
後半の方で紹介されている世田谷の事件では、この見せ金の手法が用いられたと書かれています。
見せ金の手法の一つとして、小切手や手形入金がなされたかのように見せかける手法が紹介されていました(もっとも、内容がイマイチ分かりにくいので、銀行関係者の方に是非教えて頂きたいと思っています)。

地面師詐欺にかかわらず、詐欺師達は、被害者の判断を鈍らせるため、とにかく時間に制約を設けたり、複雑な取引を持ちかけたりします。
後で振り返れば怪しいところがたくさんあった、ということになりますが、どうしても取引を進めたいと考えていると、それらを都合の良いように解釈しがちです。

「こうすれば地面師詐欺に遭わずに済む」というようなことは紹介されていませんでしたが、うまい話には気をつける、疑いを持ったときは安易に信用せずちゃんと調べる、焦らないといった一般的な注意が必要とされるのだと感じました。
不動産取引に関わる仕事をしておられる方(不動産業はもちろん、士業や金融機関の方はこれに当てはまると思います)は、是非一度、本書を読んでみて下さい。

 

私はこのようにコメントさせていただきました。

 

今回も大変、興味深い内容でした。
私は、この1年は、裁判の記録を閲覧する機会が何回かありました。溝渕さんのようなプロの方はお分かりだと思いますが、訴訟で提出された証拠にも、よく読んでみると、人が「欲に駆られる瞬間」が表現されているのが分りました。被害者は同時に加害者で、加害者の心理は「自分が被害者だと思っている」ということなのだと感じました。
被害者は、「正義感の強い人」の匂いを嗅ぎ分け、巧みにすり寄って行きます。正義感の強い人は、無意識のうちに、被害者を探します。
けれども、基本的に世の中に、被害者も加害者もいない、ことを理解すると、このような詐欺に関わることが少なくなるかと思います。「相手が本当にかわいそうな人なのか」を客観的に見てみると、このような詐欺に巻き込まれる事は無いのかなと思いました。

 

私がここで言っている、欲に駆られる瞬間、と言うのは、被害者意識、正義感と関連している場合があります。

あなたはここまでやったのだから、報われてしかるべき、

今貸してくれれば、後で必ず倍にして返す

これまで我慢してきたのだから、正当な報酬を受けるべき

 

このような言葉が見えてきます。

あ、ここで人の心が動いたのだな、と言うことがよくわかります。

この心の「ひっかかり」があると、詐欺事件にも合いやすくなります。

溝渕さんからは、このような返信がありました。

被害者と加害者の境界は立つ場所によって変わりますよね。
 以前、漫画で、事実は一つしかないが真実はいくつもあるというのを読みました。
 ①「Aさんの手がBさんに触れた」というときに、②「AさんとしてはBさんがよろけたように見えたので支えようとした」、③「BさんとしてはAさんに突き飛ばされたと感じた」という場合、事実は①なのですが、真実は②③の両方存在し得ます。
 客観的・物理的事実は一つでも、当事者が認識する真実は複数存在してしまうということです。
 まずは客観的事実を認識すること、その後は自分の解釈や認識なんだということが分かれば、溝は少しは埋まっていくのかもしれませんが。。。
 人の欲は際限がないですし、自分も欲の渦に巻き込まれているときがあるような気もします。
 地面師詐欺は、特にその欲が最大化され、起こっている悲劇なのかもしれません。

 

さすが、人間の本質をよくお分かりだと思います。

溝渕さんのメルマガは、こちらにお問い合わせください。

弁護士 溝渕 雅男

mizobuchi@kyoei-law.com

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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